記事:毎日新聞社 提供:毎日新聞社
【2007年4月18日】
はしか:首都圏で大流行の兆し GW、各地拡大も----過去10年最大規模
東京都、埼玉県などを中心に、はしか(麻疹(ましん))が大流行の兆しを見せている。都内では、患者の集団発生で始業式を遅らせた学校もある。国立感染症研究所によると、患者数が過去10年で最多の01年(推定約28万人)に迫る規模となる可能性もあるという。はしかは感染力が強く、大型連休を機に旅行者らによって東京などから各地へ感染が広がる恐れもあり、同研究所は注意を呼び掛けている。
はしかはウイルスに感染後、10日前後の潜伏期間を経て発症する。39度前後の高熱やせきなどかぜのような症状が2-4日続いた後、全身に赤い発疹が広がる。死亡率は0・1-0・2%だが、患者の約4割は入院治療が必要。空気感染のため、患者と同じ室内にいただけで感染することがある。
都教育庁によると、都内の公立学校で、はしかによる学級閉鎖を行ったのは小、中学校各1校、高校2校。
同研究所感染症情報センターが行った全国約3000の小児科での定点調査では、2-8日の報告数は32人(速報値)。多屋馨子・同センター予防接種室長によると、2月ごろから報告数が増え、3月中旬からは、成人の患者も急増するなど、患者数が伸びているという。【大場あい】
◇
大阪府立公衆衛生研究所感染部によると、同府内では先月、定点調査の医療機関で散発的に発生。今月も低いレベルだが起きており、同部は「新学期も始まり、注意が必要」としている。
|