Ovarian Stimulation IVF Protocols
 
Ovarian Stimulation IVF Protocols  体外受精の卵巣刺激法

[ MENU ]  FSH製剤 hMG製剤 rhFSH製剤 FSH:LH比 投用方法と投用量
       Gn-RHアゴニスト long protocol short protocol Gn-RHアンタゴニスト ガニレスト


卵巣刺激法
体外受精や顕微授精の成績を上げるにはより良質な卵を多く(例:8-15個卵胞、2-5 MU卵子) 育てること。
そのために卵巣の予備能を評価しながら、排卵誘発剤のHMG製剤(or rhFSH製剤)を注射し、より多くの卵胞を育てる。

下垂体前葉のホルモン:FSH、LH
FSHは卵胞の顆粒膜細胞に作用し、LHは卵胞の莢膜細胞に作用し、両者協調し卵胞を発育、排卵させる。

卵巣刺激剤(FSH製剤)はhMG製剤rhFSH製剤二つがある。
hMG製剤 ( human Menopausal Gonadotropin )
hMG製剤には、FSHとLHが含まれている。市販の製剤よって(FSH:LH比)が異なっている。
一覧表:
                     FSH製剤の種類
一般名 作用 商品名* FSH:LH比 製薬会社
HMG製剤 FSH LH 作用 @HMGテイゾー    1:1 あすか製薬(旧帝国臓器製薬)
AHMG 「フェリング」     1:1 フェリング 
Bゴナドリール    1:1/2 持田製薬 
CHMG 「F」      1:1/3 富士製薬工業 
DHMG「コーワ」     1:<0.05 興和株式会社
HMG「日研」から名称変更 
pureFSH
製剤 
主にFSH作用   ゴナビュール    1:<0.0053 あすか製薬 
 フォリルモンP    1:<0.0003 富士製薬 
rhFSH製剤     FSH作用     フォリスチム注50、75、150
(フォリトロピン ベータ follitropin β FSH) 
    1:0   シェリング・プラウ
遺伝子組み換え型  
フォリスチム注
300IUカートリッジ
600IUカートリッジ
ゴナールエフ
(フォリトロピン アルファ follitropin α FSH) 
75IU皮下注
450IUカートリッジ
900IUカートリッジ
メルクセローノ
遺伝子組み換え型 
HCG製剤  LH作用  HCG    0:1   
(* 主に150単位の注射剤を示した)排卵が起こるとすれば、HCG注射後34〜36時間です
卵胞の成熟にはFSHとLHの両方が必要です。主席卵胞が選ばれる7日目頃まではFSHが高く、その後減少しますが、LHは逆にこの時期までは低く、7日目頃を過ぎると徐々に高くなって行きます。
  @一般的排卵誘発の力はhMG製剤(@ABCの)方が強いです。基本的にはhMG製剤から開始します。
 Aしかし過剰刺激が予想されたり(OHSSしやすい方)、hMGで妊娠しない場合FSH比重高い製剤を先に使用する。その後卵胞が充分に発育したあと成熟を促がす時にhMG製剤(CDEの)に使われます
(例;成熟前の卵胞の発育を促がす目的にday3よりFSH製剤2日間(3〜5日間)使用。その後卵hMG製剤(@ABCの)を連日注射する)
FSHの純度高い製剤は、高いbaseline LH のPCO に対しての治療には他剤よりも適していることといわれています。(OHSSの予防)
hMG製剤の多胎妊娠率は約17%そのうちの82.9%が双胎です。
クロミッドの多胎妊娠率は約5%そのほとんどが双胎です。
使用例(FSH-HMG-GnRHantagonist-HCG)
date 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
Follicles <20 >16 20" OPU
フォリスチム 300 300 150 150
HMGテイゾー 150 150 150 150 150
GnRHantagonist# 1A* 1A 1A 1A 1A**
HCG 5000***
#セトロタイド0.25mg/1A sc
or ガニレスト皮下注0.25mg syringe
*>16-18mm  ** early n the morning   ***midnight  "主席卵胞の平均径
 

その使い分け:
@ LH含有比が高い製剤:
  1)下垂体機能(LH分泌)高度低下
  2)高年齢(>35歳)、卵巣予備能低下
  3)以前PureFSH製剤を使用したが、Poor Response!
A LH含有比が低い製剤:
  1)自然排卵がある
  2)若い年齢、卵巣予備能可
  3)血中LHが高い
  4)PCO (OHSSの予防)

rhFSH製剤 ( recombinant human FSH )
FSH:LH=1:0 Pure FSH その使い分け:
@ PCOの方 baseline LH が高い場合にLH高い製剤より発育卵胞が多くOHSSになりやすい為にPure FSHを使用する。

FSH製剤(hMG製剤、rhFSH製剤)の使用量
目標の発育卵胞数と個人反応差が大きいので個別検討する。卵巣予備能(特に年齢、胞状卵胞数など)と前周期の治療経過(卵の質、成熟卵の率、受精分割率、胚のグレード、胚盤胞到達率)を検討し投用方法と投用量を推定する。
投用方法:
@用量固定法;  HCGを切り替え時期は、卵胞直径とE2値(単一卵胞:250-300 pg/ml、多数卵胞:150-200 pg/ml/per follicle、total:1000〜4000 pg/ml が目安)
AStep up 法(Timming、AIH時、単一卵胞発育を目指):例:D3とり 37.5〜75 iu/d×7-10 ds →必要時+37.5 iu/d×7 ds 、卵胞直径>10-12mm より定量する。
BStep down 法(COH時) 例:Day3よりhMG 150-300 iu ×2-3日、その後半減。
C 隔日投用法(患者ストレスの軽減) 例: clomid (50-100mg/d) (day3〜day7) →FSH製剤(75-150IU/d)(day8,10,12,......)
D coasting 過剰な卵胞発育(卵胞数過多、E2>4000 pg/ml ) の場合に 切り替えHCGを1〜数日延期することでOHSS重症化を防ぐ。緊急避難。


体外受精における卵巣刺激法
排卵前の卵胞は左右各6〜8個ができることを目標をするが、実際は個人差がある。
* クロミッド  * HMG+HCG   *クロミッド HMG+HCG  使用例・・・

Gn-RHa(Gn-RHアゴニスト) Gonadotropin Releasing Hormone agonist
体外受精の時にhMG(FSH)による卵巣刺激法においては,複数の卵胞がて発育することにより血中Estrogen値の急激な上昇をみるため個々の卵胞が未熟な段階でのLHサージが起こってしまう危険があります。これによって採卵前に排卵たり、卵子の質が低下したりするのを防ぐ為にGn-RHアゴニストのロング法やショート法の使い方があります。
(GnRH agonistは使用開始直後は脳下垂体レベルでゴナドトロピンの分泌促進をきたしますが(flare up),やがて脳下垂体のGnRH receptorを減少させ(down regulation),結果としてintrinsic gonadotropinの分泌を抑制します。)

GnRH analogueの選択

GnRH agonist
(スプレキュア・ナサニール・イトレリンなど)
正常反応型(30〜35歳の方): GnRH agonist protocol ( Gonodotrophine releasing hormone )
long protocol
@ 採卵する月経周期の前の周期の高温相の7〜8日目からスプレキュアという点鼻薬を1日3回、左右の鼻孔に噴霧します(ロング法)。この薬により、下垂体からの性腺(卵巣)刺激ホルモンの分泌 ( premature LH surge )を抑え、勝手に排卵しないようにします。HCG注射の当日朝まで使用する。
A HCG im Timing: 18mm follice * 3, or E2 in blood 1500 〜 2000pg/ml.
B34〜36時間後採卵
*GnRHアゴニストを長期間使用することにより、FSH、LHを下げ未成熟なLHサージを抑えこみ、理想的な卵子を育ちます。 

低反応型(例えば35歳〜高齢者): GnRH agonist
short protocol
@ 採卵する月経周期の3日目からHMG(FSH)(or clomid+HMG)スプレキュアという点鼻薬を1日3回、左右の鼻孔に噴霧します(ショート法)。HCG注射の当日朝まで使用する。
A long 法と同じ or よりやや小さいうち 
B34〜36時間後採卵
*GnRHアゴニストの初期のFSHの濃度を高める作用(flare up)を利用し、発育してくる卵胞数が少ない方、高齢の方に効果的です。

高反応型: OHSS 予防 softer ovarian stimulation: GnRH antagonist protocol (cetrorelix or ganirelix) long (ultralong) protocol 妊娠率やや低下。


Gn-RHアンタゴニストGnRH antagonist  
*作用: 下垂体のLH、FSHの働くレセプターに結合し、LH・FSHの分泌をスプレキュアよりも強力抑えることでLHサージをほぼ完全に抑える。
*アゴニストと比較: やや高価ですが、FSH(排卵誘発剤)の使用量を減らすことになり、副作用の低減につながる(Mild IVF)、使う頻度が増えてきましたが、すべて良い結果ではありません。(case by case)
*使用例:卵胞ができすぎる(20個以上、良い卵が取れない)方、PCOsの方、高齢でスプレキュアが無効の方には良いでしょう。
*
セトロタイド卵胞径が14〜16mmとなった時点よりセトロタイド0.25mg(塩野義製薬)を1日1回腹部皮下に連日投与する。
*「
ガニレスト皮下注0.25ミリグラムシリンジ」(一般名:ガニレリクス酢酸塩、シェリングプラウ)使用方法はセトロタイド0.25mgと同じが、特長は「プレフィルドシリンジ」液体の製剤そのまますぐに使用できる。9
 (HMGと併用、使用例・・・


GnRH antagonist agonist とも使用しないの例
40歳以上、(使用すると)卵胞発育不十分、clomid 100mg * 2回(D5,D10) 卵胞発育20mm以上の場合、尿LH陽性:翌日採卵、陰性:HCG5000 imで2日後採卵

国内使用頻度(JISART会員) Long 32%, Short 20%, Antagonist 35%, Clomid 13%



    大川産婦人科・高砂  ART 高度生殖補助医療技術 (不妊症)
大分県大分市高砂町1番5号 大川産婦人科ビル5F  オアシスひろば21南側 TEL .097-532-1135